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【2021年版】世界遺産検定まとめノート公開中(1・2級、マイスター向け)

マイスター第1問(語句説明問題)対策|語句表と講評の分析

1.マイスター第1問(語句説明問題)対策語句表

マイスター試験の第1問は、例年3つの単語についてそれぞれ約50文字で説明するというものです。この出題方式は今後も続くと思われます。

出題されそうな重要語句について、約50文字で回答案を作成しました。過去出題されたものについては、右側に出題された回を記載しています。なお、過去1回出題された語句は青字2回以上出題された語句は赤字にしています。

語句 説明 字数 出題
顕著な普遍的価値/Outstanding Universal Value 国家間の境界を超越し、人類全体の現在・将来に共通した重要性を持つ傑出した文化的な意義や自然的な価値 49 第34回
世界遺産 人類共通の財産として世界遺産一覧表に記載された顕著な普遍的価値を有する文化財、景観、自然環境等の不動産 51  
世界遺産リスト/世界遺産一覧表 世界遺産委員会が定めた登録基準に照らし顕著な普遍的価値を認められた文化・自然・複合遺産を記載した一覧表 51  
世界遺産条約/世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約 文化遺産や自然遺産を人類全体の遺産として破壊等の脅威から保護するため国際的援助体制の確立等を定めた条約 51  
世界遺産条約履行のための作業指針 顕著な普遍的価値の定義、登録基準、保全状況報告等の条約の履行手続が定められ、定期的に改定される指針 49  
世界遺産条約締約国会議 ユネスコ総会会期中、通常2年に1回開かれ、分担金や委員国の決定等を行う世界遺産条約の締約国による会合 50  
世界遺産委員会 世界遺産危機遺産一覧表の更新、保全状況審査、作業指針改定等のため通常年1回会合を持つ21か国による組織 52 第32回
4段階の決議 締約国から推薦された資産に対し、世界遺産委員会が行う「記載」「情報照会」「記載延期」「不記載」の決議 50  
登録決議/記載決議 世界遺産委員会が諮問機関の指導により顕著な普遍的価値の宣言を採択し資産を世界遺産一覧表に記載する決議 51  
情報照会決議 世界遺産委員会が推薦資産の追加情報を求め締約国に情報照会する決議。最短で次回委員会に推薦書再提出が可能 51  
登録延期決議/記載延期決議 推薦資産により綿密な調査や、締約国による推薦書の本質的改定が必要な場合に当該資産の登録延期をする決議 50  
不登録決議/不記載決議 推薦資産の世界遺産一覧表への記載がふさわしくないと世界遺産委員会が判断した決議で、再推薦は原則不可となる 52  
ビューロー会議/世界遺産ビューロー 世界遺産委員会21か国の中から、議長1、副議長5、書記1か国で構成され、議事調整や日程管理等を担う組織 51  
世界遺産センター/世界遺産委員会事務局 世界遺産委員会の運営、登録準備の援助、暫定リストや推薦書の受理等、同委員会の事務局の役割を担う組織 49  
世界遺産基金 締約国の分担金等を財源とし、世界遺産委員会が決する目的にのみ使用できるユネスコ財政規則に基づく信託基金 51 第30回、第42回
世界遺産基金の援助の種類 紛争等からの復興の「緊急援助」、推薦の事前調査への「準備援助」、専門家派遣・育成等の「保全・管理援助」 51  
世界遺産委員会諮問機関 専門分野について条約履行に関する助言を行う機関で、現行ではICCROM、ICOMOS、IUCNの3者 50  
ICCROM/イクロム/文化財の保存及び修復の研究のための国際センター/ローマセンター 文化財の学術的・技術的問題の研究や助言、技術者育成と修復作業水準向上の援助等を行う国際的政府間機関 49 第32回、第42回
ICOMOS/イコモス/国際記念物遺跡会議 推薦された文化遺産の評価、保全のモニタリング等を行う 、遺跡や建造物の保存を目的とする世界的NGO 49  
IUCN/国際自然保護連合 推薦された自然遺産の評価、保全のモニタリング等を行う 、政府・NGO等を会員とする国際的自然保護団体 50  
UNESCO/ユネスコ国際連合教育科学文化機関 教育、科学、文化を通して国際協力を促進し、世界の平和と人類の福祉への寄与を目的とする国連の専門機関 50  
ユネスコ憲章 1945年に連合国教育文化会議で採択された、教育・文化に関する国際機関ユネスコの目的・任務等を定める憲章 52  
ユネスコ総会 ユネスコ加盟国代表で構成される最高決議機関で通常2年に1回開催し施策、事業、予算等を審議し採択する会議 51  
(日本)ユネスコ国内委員会 ユネスコ加盟国内に政府の諮問機関として設置される国内委員会で、日本は文部科学省に事務局機能を置く 49  
(日本)ユネスコ協会連盟 ユネスコ憲章の理念に則り、世界寺子屋運動や世界遺産活動等の民間ユネスコ運動の推進を目的とした公益財団法人 52  
文化遺産 登録基準ⅰ~ⅵで世界遺産一覧表に記載された顕著な普遍的価値のある記念物、建造物、遺跡、文化的景観等 50  
自然遺産 登録基準ⅶ~ⅹで世界遺産一覧表に記載された顕著な普遍的価値のある自然景観、生態系、絶滅危惧種生息地等 51  
複合遺産 登録基準ⅰ~ⅵの1つ以上とⅶ~ⅹの1つ以上を認められた文化遺産と自然遺産の両方の価値を有する世界遺産 50  
危機遺産 作業指針の登録基準に照らし、紛争や災害等の人為的に防除可能な危機のため危機遺産一覧表に記載された遺産 50 第40回
危機遺産リスト/危機遺産一覧表/危機にさらされている世界遺産リスト 重大かつ特別な危機にあり条約に基づいて援助が要請される世界遺産を保護・修復対象として登録するリスト 50  
緊急的登録推薦 OUVが明らかな暫定リスト記載資産を通常の推薦手続を経ず推薦・審査し、登録と危機遺産登録を同時に行うもの 52 第44回
負の遺産 人類の負の行為を記憶に留め、過ちを繰り返さないよう登録された遺産。条約に定義はなく、認定に諸説がある 50 第30回
登録基準 基準のi~viは文化遺産、vii~xは自然遺産の顕著な普遍的価値の指標として作業指針に定められた基準 50  
登録基準(i) 人間の創造的資質や人間の才能を示す遺産に認められる基準であり、世界的に有名な文化遺産の多くが満たす 49  
登録基準(ii) 文化の価値観の相互交流を示す遺産に認められる基準であり、交易路や大きな文化・文明の接する位置に多い 49 第30回
登録基準(iii) 文化的伝統や文明の存在の証拠を示す遺産に認められる基準であり、古代文明や人類の化石遺跡等も含まれる 50 第34回
登録基準(iv) 建築の様式や技術、科学技術の発展を示す遺産に認められる基準であり、建築が特徴の遺産に多く認められる 50  
登録基準(v) 独自の伝統的集落や、人類と環境の交流を示す遺産に認められる基準であり、文化的景観にも多く認められる 50 第38回
登録基準(vi) 歴史上の出来事や伝統、宗教等と結び付く遺産に認められる基準であり、他の基準と併用が望ましいとされる 50  
登録基準(vii) 自然美や景観美、独特な自然現象を示す遺産に認められる基準であり、世界的に有名な自然遺産の多くが満たす 50 第40回
登録基準(viii) 地球の歴史の主要段階を示す遺産に認められる基準であり、地層・地形・生物の化石遺跡等に多く認められる 50 第44回
登録基準(ix) 動植物進化の過程や独自の生態系を示す遺産に認められる基準であり、進行中の生態学の代表例に多く認められる 51 第26回
登録基準(x) 絶滅危惧種の生息域でもある生物多様性を示す遺産に認められる基準であり、危機遺産の多くで認められている 50  
真正性/真実性 文化遺産が文化的背景の独自性や伝統を継承していることで、保存・修復には文化的諸条件を考慮すべきとされる 51 第36回
真正性に関する奈良会議 真正性の定義と評価が議論され、地理的・自然的・文化的諸条件の考慮すべきとする奈良文書の採択がされた会議 51  
奈良文書 真正性に関する奈良会議で採択され、遺産保存は自然条件と文化・歴史的背景等の関係の中ですべきとした文書 50 第26回、第38回
完全性 顕著な普遍的価値を構成するために必要な要素が全て含まれ、保護のための法律等の体制が整備されていること 50 第28回
代表性 世界遺産一覧表が、様々な地域や、様々なカテゴリーの文化遺産や自然遺産を衡平に代表したものであること 49  
文化的景観 人間社会が自然の制約下で社会的・文化的影響を受け進化してきたことを示すもので、文化遺産の多様性に資する概念 53 第28回、第36回、第44回
文化的景観:意匠された景観 人間によって創り上げられた景観、デザインされた景観、人工的な景観を対象とする文化的景観のカテゴリー 49  
文化的景観:有機的に進化する景観 経済、政治、宗教等の要求で生まれ、自然環境に対応し形成された景観。残存する景観と継続する景観に分かれる 51  
文化的景観:関連する景観 自然の要素がその地の民族に大きな影響を与え、宗教的・芸術的・文学的な要素と強く関連する景観 46  
グローバル・ストラテジー世界遺産リストにおける不均衡の是正及び代表性、信用性確保のためのグローバル・ストラテジー 世界遺産一覧表の地域的・内容的・時代的な不均衡を是正し、世界遺産の信頼性を取り戻すため策定された戦略 50  
シリアル・ノミネーション・サイト 文化や歴史的背景、自然環境等が共通する資産を全体として顕著な普遍的価値を有する遺産として登録したもの 50  
トランスバウンダリー・サイト 文化、歴史、自然環境等が共通する資産に全体として顕著な普遍的価値を認め、国境をまたいで登録したもの 49  
MAB計画/人間と生物圏計画/Man and the Biosphere Programme 人間と環境の関係改善、資源の持続可能な利用等を促進する研究、教育、研修等を行うユネスコの研究計画 48  
生物圏保存地域 ユネスコのMAB計画に基づく長期的研究モニタリングのため、核心地域、緩衝地域、移行地帯が設定された地域 51  
ユネスコエコパーク ユネスコのMAB計画に基づく長期的研究モニタリングのため設定される「生物圏保存地域」の日本国内の呼称 50  
資産/プロパティ 文化遺産では個別の文化財・建造物・遺跡、自然遺産では公園保護区や生態系保護区等の遺産の核心部分のこと 50  
バッファー・ゾーン/緩衝地帯 資産保護のためその周囲に設けられる利用制限区域で、推薦書への記載又は設定しない理由の明示が求められる 50 第26回、第38回
ユネスコエコパークの核心地域/コア・エリア 文化遺産および自然遺産を構成する資産であり、自然環境等を厳格に保護しなければならない地域 44  
ユネスコエコパークのバッファー・ゾーン/緩衝地帯 移行地帯の人間活動から核心地域を保護するために設定され、適切な保護・管理下で調査・教育等に利用される地域 52  
ユネスコエコパークトランジション・エリア/移行地帯 核心地域、緩衝地帯の外側にあり、人が暮らしを営み、環境に配慮した産業活動等持続可能な発展を目指す地域 50  
ユネスコ世界ジオパーク

2015年からユネスコの事業となった地球科学的価値を持つ資産の保全と持続可能な開発を進める地域認定プログラム

54  
世界遺産に関するブダペスト宣言 世界遺産が持続可能な社会の発展に貢献できるよう、世界遺産委員会が戦略的目標の「4つのC」を示した宣言 50  
5つのC ブダペスト宣言で示された4つCに「コミュニティの活用」が追加された、世界遺産条約履行のための戦略的目標 51 第32回、第40回
アテネ憲章 記念物や遺跡等の保存・修復の基本的な考え方を初めて明確に示した憲章で、近代的技術・材料の使用を認めていた 52  
ヴェネツィア憲章 記念物や遺跡等の保存・修復には建設当時の工法・素材を尊重し、例外的な場合のみ近代的技術の使用を認めた憲章 52  
ハーグ条約/武力紛争の際の文化財の保護に関する条約 紛争や内戦から文化財を守る条約で、締約国は紛争時に文化財への攻撃禁止や国外流失防止などが義務付けられる 51 第36回
公的又は私的の工事によって危機にさらされる文化財の保存に関する勧告 ヌビアの遺跡群の救済活動を受け採択され、社会経済の発展と調和を図った文化財保護を各国の義務とする勧告 50  
文化財の不法な輸入、輸出及び所有権譲渡の禁止並びに防止の手段に関する条約/文化財不法輸出入等禁止条約 保護管理体制の不備等で盗難された文化財の密貿易等を禁止し、加盟国に目録作成、保護機関設置等を求める条約 51  
国連人間環境会議 環境問題の最初の世界的ハイレベル政府間会合で、人間環境宣言を採択し、世界遺産条約採択の契機となった会議 51  
人間環境宣言/ストックホルム宣言 国連人間環境会議で採択された、国際社会が初めて開発問題と環境問題について取り組む原則をまとめた宣言 49  
ウィーン・メモランダム/世界遺産と現代建築に関するウィーン覚書 ウィーン中央駅界隈の都市開発と世界遺産保全をめぐる国際会議で採択された、世界遺産と現代建築に関する覚書 52  
歴史的都市景観の保護に関する宣言 歴史的都市景観の概念を推薦書等の保護計画に含め、顕著な普遍的価値の保護を他の方針より優先すべきとする宣言 52  
京都ビジョン 世界遺産条約40年の成果を評価し、世界遺産とコミュニティーの役割を整理し5つのCを再確認した成果文書 50 第28回、第34回
世界遺産におけるボン宣言 内戦や災害等の遺産への脅威やIS等の武装集団による遺産の破壊に対し、国際社会の協力を呼び掛けた宣言 49  
世界遺産条約履行に関する戦略的行動計画(2012-2022) 顕著な普遍的価値の維持やリストの信頼性向上等の目標が定められた2011年締約国会議で採択された行動計画 51  
登録推薦書 締約国が暫定リスト中から登録要件が整った遺産を世界遺産に推薦するため世界遺産センターに提出する書面 49  
専門調査 推薦された遺産についてICOMOSとIUCNが行う現地調査と審査で、決議と同じ4段階の勧告が出される 50  
評価報告書 ICOMOSとIUCNが審査結果と提言をまとめ、決議と同じ4段階の勧告を付し世界遺産センターに提出する書面 53  
定期報告 締約国が保有する遺産の保全状況や立法・行政措置等に関して世界遺産委員会を通じユネスコに対して行う報告 50  
リアクティブ・モニタリング 脅威にさらされている世界遺産保全状況について、世界遺産センターやユネスコの他部門、諮問機関が行う報告 51  
アップストリーム・プロセス 推薦書提出から審議までの間に、推薦国の求めに応じ諮問機関・世界遺産センターが助言・協議等を行う仕組み 50 第42回
(包括的)保存管理計画 世界遺産 の登録審査に際して求められる、顕著な普遍的価値の保存のために保存管理の内容を明文化した計画 50  
暫定リスト/暫定一覧表 締約国が潜在的価値を認め、将来的に世界遺産への登録を目指す物件として世界遺産センターに提出するリスト 50  
世界保全戦略 IUCN)がUNEPの委託により、WWF等の協力を得て作成した環境保全と持続可能な開発についての戦略 50  
アジェンダ21 1992年の国連環境開発会議(地球サミット)において採択された21世紀の持続可能な開発へ向けた行動計画 51  
産業遺産 通常は産業革命以後の歴史的、技術的、社会的、建築学的、科学的価値のある遺構や景観等の産業文化の遺物 49  
TICCIH/ティッキ/国際産業遺産保存委員会 産業考古学研究や産業遺産の保護・振興等を目的とした国際団体であり、 ICOMOSに専門的助言も行う 49  
ニジニータギル憲章 TICCIHが採択した産業遺産に関する広範囲な定義、保存、研究、教育等の総合的見解についての声明文書 50  
レッドリスト 国際的にはIUCN、国内では環境省地方公共団体等が作成する絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト

49

 
絶滅危惧種 絶滅のおそれのある野生生物の種のことで、レッドリストでは種毎の絶滅のおそれの程度に応じて分類される 50  
無形文化遺産 慣習、知識、技術やそれらに関連する器具、物品及び文化的空間で、集団や個人が文化遺産の一部と認めるもの 50  
無形文化遺産条約 無形文化遺産を保護するために、国際協力や援助体制確立等を目的とし2003年ユネスコ総会で採択された条約 51  
世界の記憶 人類にとって後世に伝える価値がある写真・楽譜・書物等の記録物を登録し、保存・公開するユネスコの事業 49  
ラムサール条約特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約 水鳥の生息地として湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全のために、湿地の適正な利用を促進する条約 49  
生物多様性条約/生物の多様性に関する条約 生物の多様性を包括的に保全し、生物資源の持続可能な利用を行うための国際的な枠組みに関する条約 46  
文化多様性条約/文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約 文化的表現の多様性を保護・促進を目的とし、各国に固有の文化の保護育成政策を認める条約(日本は未批准) 50  
水中文化遺産保護条約 海底遺跡や沈没船、有史以前の遺物など、水中にある文化遺産を保護するための条約(日本は未批准) 46  
構成資産 複数の資産を複合体として登録するシリアル・ノミネーション・サイトにおける複数の登録資産のこと 46  
自然環境保全 自然環境の保全を図るための基本方針や、特に自然環境を保全することが必要な地域について定めた法律 47  
自然公園法 自然の風景地の保護・利用と国民の保健、教化、生物多様性確保等のため、国立・国定公園等について定めた法律 52  
世界農業遺産 伝統的農法や生物多様性が守られた土地利用を保全・継承する目的でFAOが認定する世界重要農業資産システム 51  
文化財保護法 国宝保存法、史跡名勝天然記念物保存法等を統合し、文化財の保護・活用を図り国民の文化的向上を目指す法律 50  

2.第1問の講評の分析

第1問について、過去問の講評では、以下のようなポイントが指摘されています。

<一般的なポイント>

  • 学習の際には、それぞれの語句の最重要ポイントがどこであるかを考えながら、キーワードを正しくつかむことが重要(第26回、第28回、第30回、第32回、第34回、第36回、第38回、第40回、第42回、第44回)
  • 50 文字以内で説明するのが難しいようなものは、重要なポイントを押さえながら要約することができるかが鍵となる。点数が低かった受検者の中には、要素の羅列になっており説明が散漫になっているものが多かった(第28回)
  • 登録基準のところは点数が取りやすいので、作業指針内の内容が過不足なく含まれていると点数が高くなった(第40回)
  • どの語句も複数の点が含まれている解答は点数が高くなった(第42回)

<語句ごとのポイント>

  • 負の遺産」は世界遺産条約に定義されておらず、その点を記述することも加点のポイントであった(第30回)
  • 世界遺産委員会」では委員国数や新規登録以外の審議も行われる点、「5 つの C」では世界遺産条約履行のための戦略目標である点などが書かれている必要がある(第32回)
  • 「登録基準(iii)」では文化的伝統や文明の存在を示すだけでなく、人類の化石遺跡など途絶えた文化や文明を含むことも触れる必要がある(第34回)
  • 「京都ビジョン(2012 年)」では、内容だけでなく、いつ何のために採択されたものであるのかまで書かれていた解答は点数が高くなった(第34回)
  • 「文化的景観」では文化遺産登録の多様性につがなる点や、「真正性」では奈良文書による概念の変化に触れている解答は点数が高くなった(第36回)
  • 「登録基準(v)」では文化的景観にも触れている解答は点数が高くなった(第38回)
  • 「奈良文書」では、真正性に関する合意であることと、真正性が気候や風土、歴史、文化に即してとらえられるようになったことも書く必要がある(第38回)
  • 危機遺産」では人間の関与により危機状態の改善が可能なことや、登録基準が作業指針で定められていることなどが書かれていると点数が高くなった(第40回)
  • 世界遺産基金」ではユネスコの財政規則に基づき設立された信託基金である点と、世界遺産委員会が決定する目的にのみ使用できる点の両方を含む必要がある(第42回)
  • 「緊急的登録推薦」では、OUV が明らかな暫定リスト記載の遺産である点と、世界遺産リスト記載と同時に危機遺産リストにも記載されることが書かれている必要がある。片方だけの内容では十分な説明とは言えず、短い言葉で要点が抑えられている解答に高得点が与えられた(第44回)

語句表は講評で指摘されている上記のようなポイントを踏まえて作成しています。一般的なポイントとして、「どの語句も複数の点が含まれている回答は点数が高くなった」(第42回)と指摘されていることからも、高得点を取るためには、キーワードとなる語句や言い回しを多く入れ込むことが必要だと思います。

そのため語句表では、公式テキスト等で書かれている内容について、意味を害しない範囲で文字数を圧縮し、多くの要素を埋め込むことを意識しました。文字数が厳しい場合は「顕著な普遍的価値」を「OUV」としたり、IUCN等の団体名についても省略形で記載したりしています。また、例えば「文化的景観」については、「人間社会が自然環境による制約の中で、社会的、経済的、文化的に影響を受けながら進化」(40字)という部分を、「人間社会が自然の制約下で社会的・文化的影響を受け進化」(26字)と圧縮するなどしています。

3.第46回(2021年12月)の出題予想

2021年11月現在、登録基準の(i)、(iv)、(vi)、(x)の出題がまだありません。そのため、この4つのうち一つは出題される可能性が高いと思います。

また、過去出題が多く、最近は出されていない、

  • 奈良文書
  • バッファー・ゾーン/緩衝地帯
  • 5つのC
  • 京都ビジョン

あたりも出題される可能性があると思います。

責任は持てませんが、参考になれば幸いです。

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