世界遺産検定1級 まとめノート2-3.原爆ドーム・厳島神社・古都奈良
7.広島平和記念碑(原爆ドーム)
(1)概要
- 登録:1996年、基準:6 ※負の遺産
- 登録基準ⅵの「他の基準とあわせて」という記載は原爆ドーム審議の委員会で付加
- ネオ・バロックの楕円形ドームや湾曲した壁面
- ゼツェッション様式による柱頭や正方形の窓枠、幾何学模様の装飾
- 課題
・鉄骨や壁のひびなど保存上の課題
・バッファー・ゾーン外での高層マンションや再開発の課題
(2)歴史
- 1910年「広尾島県物産陳列館」建設決定、チェコ建築家ヤン・レツル抜擢
- 1915年完成、その後「広島産業奨励館」に改称
- 1945年8月6日B29エノラ・ゲイがリトル・ボーイを投下
- 1966年広島市議会で永久保存を決議、募金運動、1967年最初の保存工事
- 1989年、2002年にも保存工事
- 1992年推薦を国に求めるも文化財でないと却下
- 1995年文化財保護法の史跡指定基準改正(「原爆ドームの世界遺産化をすすめる会」の運動)
- 1996年世界遺産登録(米中は決議に反対しないが声明を発表)
8.厳島神社
(1)概要
(2)歴史
- 593年最初の神社創建
- 平安時代末期平清盛が社殿整備
- 1207年火災でほとんど焼失、1241年再興、現在の起源
- 室町時代には島内に市街地発展、参拝者増加
- 海上の大鳥居も倒壊と再建を繰り返し1547年に両部鳥居形式
- 現在の大鳥居は1850年台風で破損した後1875年再建
(3)構成資産
厳島神社・本社 |
本殿、拝殿、祓殿、高舞台、平舞台など主要な建造物が一直線に配置。 宗像三女神を祭神:市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命。1546年建設の平舞台中央の高舞台では1000年以上守り伝えられる舞楽が行われる |
摂社客人神社 |
本社の北東、本社と東回廊で結ばれる。1223年火災、1241年再建が現存 |
江戸時代1680年改築、本社と西回廊で結ばれる、日本唯一の海上能舞台、床下の甕がないため床板の根太を三角形に配置して床板を張り出させて響きを得る |
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豊国神社本殿、五重塔、多宝塔 |
秀吉が僧の恵瓊(えけい)に建立を命じた寺院が起源 |
弥山原始林 |
9.古都奈良の文化財
(1)概要
(2)歴史
- 708年元明天皇が平城京造営、710年遷都後74年間日本の政治、経済、文化の中心
- 745年鑑真来日、759年唐招提寺の建立
- 756年東大寺山堺四至図で既に春日山西麓が神地、768年春日大社創建
- 平安京遷都後も一部は朝廷の保護下、平安時代末期の内乱で壊滅的被害、室町時代衰退
- 維新後に文化財軽視、後に古社寺保存法、国宝保存法、史跡名勝天然記念物保護法で保護
- 2011年平城京遷都1300年祭の仮設物撤去、大和北道路の建設、平城宮復元の真正性等の課題→2015年1月までに包括的保全計画書が提出された
- 春日山原始林バッファー・ゾーンのモノレール建設計画にICOMOSから計画変更を求められた
(3)構成資産(8件登録)
680年天武天皇の発願で建立、718年藤原京から移築、金堂前面東西に白鳳文化の三重塔(薬師寺伽藍配置)、現存するのは東塔のみ |
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藤原氏の氏神をまつる神社、平安後期に興福寺と一体化され明治の神仏分離令で分離、本殿は春日造り、春日神の四柱(武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神) |
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春日山原始林 |
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1955年発掘調査開始 |
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鑑真が創建、金堂は奈良時代の金堂建築として唯一残存 |
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東大時 |
南大門、法華堂、鐘楼、金堂(大仏殿)、銅造廬舎那仏座像(大仏)、開山堂、転害門、本坊経庫、正倉院正倉が国宝 |