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【2021年版】世界遺産検定まとめノート公開中(1・2級、マイスター向け)

世界遺産検定1級 まとめノート2-4.日光の社寺・琉球王国のグスク・紀伊山地

10.日光の社寺

(1)概要

  • 登録:1999年、基準:146
  • 8c勝道上人の日光山開山以降発展した日本有数の霊場
  • 東照宮二荒山神社輪王寺の二社一寺に属する建造物103棟が登録
  • 山岳信仰と仏教の結びつきによる「修験道」、亡くなった偉人を神としてまつる「人物神」

(2)歴史

  • 782年勝道上人が男体山に登頂、2年後に寺院を建立し日光山を開山
  • 神道と仏教が融合した山岳信仰の聖地として発展
  • 12cには堂社の創建が盛んになり、霊山として整備
  • 鎌倉時代源頼朝など歴代将軍の保護
  • 室町時代日光修験は最盛期
  • 戦国時代に勢力争いの余波で衰退、1590年秀吉の領地没収で荒廃
  • 江戸時代に家康側近の僧の天海が日光山再興に着手
  • 1616年家康病没し遺体は日光埋葬、1617年東照社が造営
  • 1634年3代家光による「寛永の大造替」で権現造りを主体とする東照宮の姿が完成
  • 明治の神仏分離令で二社一寺に分離、いくつかの建造物が移設

(3)構成資産(東照宮二荒山神社輪王寺の二社一寺に属する建造物103棟)

東照宮

1617年創建家康の霊廟。1645年朝廷から宮号が授与され東照宮と改称、本殿と拝殿間を石の間で結ぶ様式は権現造りの完成形。国宝8棟、重文34棟

二荒山神社

1619年から本殿と諸社殿が造営。大己貴命田心姫命味耜高彦根命を祭神。23棟が重文

輪王寺

766年勝道上人が創建した四本龍寺を起源。本地垂迹説:大己→千手、田心→阿弥陀、味耜→馬頭。慈眼堂は天海の霊所

  • 権現造り:横長の拝殿と本殿の間を石の間でつなぎ一棟の建物とするもの
  • 陽明門:高さ11.1m横幅7m、一本だけ彫刻模様が逆の柱、1654年に檜皮葺から銅瓦葺へ
  • 八棟造り:寛永の大造替前の建造物である二荒山神社本殿に残る様式、京都の北野天満宮にも(入母屋造りの屋根や破風、向拝などが複雑に入り組んだ構造)

11.琉球王国のグスク及び関連遺産群

(1)概要

  • 登録:2000年、基準:236
  • 12c~16cにかけて建造されたグスクを中心とする遺構
  • グスクはもともとは野面積みの石垣の自衛的農村集落を意味
  • 按司が群雄割拠した12cに居城化、やがて切石積みの堅牢な石垣の大規模グスク化
  • 周辺住民の自然崇拝・先祖崇拝の聖域、拝所

(2)歴史

  • 12c按司が群雄割拠、グスク時代
  • 15c王の登場、北山・中山・南山
  • 1429年中山が統一し琉球王国成立
  • 1458年勝連城の阿麻和利の乱を鎮圧、中央集権化
  • 1477年第二尚氏第三国王尚真の城下整備、王族女性を神職とする神女組織など祭祀一致の改革
  • 1945年米軍上陸、首里城など多くのグスクが破壊

(3)構成資産

首里城

中山王居城、琉球王国の中心地、総延長1080mの城壁には布積み・相方積みが混在、地上分の建造物群は沖縄戦で焼失し再建、2019年10月31日首里城正殿から出火、正殿は全焼(北殿、南殿、書院・鎖之間、黄金御殿、二階御殿、奉神門の7棟にも延焼)

今帰仁城

北山王居城(琉球王国では北山監守の居城)、自然の要害の地、周囲には野面積みの曲線城壁

座喜味城跡

本島中部読谷村西岸グスク跡、15c有力按司護佐丸造営、沖縄最古アーチ状城門、現在も拝所は信仰

勝連城跡

最古のグスク跡、15c半ば阿麻和利居城、自然の丘と曲輪、コバノツカサ神拝所、L字のトゥヌムトゥ

中城城跡

高台のグスク跡、護佐丸の居城、勝連城とは中城湾の対岸、6つの曲輪

玉陵

1501年尚真築造の陵墓(破風墓)、王族はまず中室→王・王妃・王子は東室、その他は西室へ

園比屋武御嶽石門

1519尚真の時代に築造、首里城の森で王族の聖域の園比屋武御嶽の石門、木造建築様式の石造建築、森は沖縄戦で消失、現在も石門に人が参拝

識名園

1799年造営の王家の別邸、沖縄戦で破壊、1975~96年に掛けて修復、全体の意匠や構成は琉球独自

斎場御嶽

神女の最高位「聞得大君」の「御新下り」の儀式等の聖地、三庫理・大庫理・寄満等の拝所

12.紀伊山地の霊場と参詣道

(1)概要

  • 登録:2004年・2016年範囲拡大、基準:2346
  • 「吉野・大峯」、「熊野三山」、「高野山」の3つの霊場とそれぞれを結ぶ参詣道で構成
  • 年間3000m降水、豊かな雨と森が自然信仰の土壌
  • 神仏習合浄土教修験道の聖地
  • 自然環境中心に数多くの信仰形態
  • 日本初の文化的景観認定

(2)歴史

(3)構成資産

吉野・大峯

金峰山を中心とする吉野、修験道の大峯、吉野山の麓の金峯山寺山上ヶ岳頂上の大峰山寺の起源の寺院は役行者により7c開山、他に吉野水分神社、吉水神社など

熊野三山

熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の総称、10c神仏習合熊野三所権現として信仰、他に青岸渡寺補陀落山寺、那智大滝那智原始林など

高野山

金剛峯寺中心の真言密教霊場、建造物は山頂平地「八葉の峰」、本堂と多宝塔を組み合わせた金剛峯寺伽藍配置は全国真言宗寺院のモデル、かつて女人禁制で麓の慈尊院、他に丹生都比売神社など

参詣道

大峯奥駈道・熊野参詣道・高野参詣道の3つの参詣道