世界遺産マイスターを目指す|世界遺産検定スタディブログ

【2021年版】世界遺産検定まとめノート公開中(1・2級、マイスター向け)

世界遺産検定1級 まとめノート2-1.法隆寺・姫路城・屋久島

1.法隆寺地域の仏教建造物

(1)概要

  • 登録:1993年、基準:1246
  • 現存する世界最古の木造建造物
  • 聖徳太子ゆかりの寺院
  • 柱の中央が膨らむエンタシス
  • 法隆寺の登録→「真正性における奈良会議」→「奈良文書」(94年)

(2)歴史

(3)構成資産(法隆寺47棟、法起寺1棟(三重塔)の48資産)

法隆寺西院伽藍

法隆寺伽藍配置:東に金堂・西に五重塔(世界最古の木造の塔)、雲形組物、釈迦三尊像のアルカイック・スマイル(北魏時代6cの中国文化の影響)、四間門(しけんもん):法隆寺中門・通路となる門の中央部に柱・左右には阿吽の像

法隆寺東院伽藍

周囲に回廊がめぐる夢殿を本堂、現存する最古の八角円堂、屋根は「八注造」、本尊は救世観音菩薩立像:聖徳太子と等身説、明治まで秘仏(←フェノロサ岡倉天心

法起寺

三重塔としては日本最古かつ最大(約24m)

2.姫路城

(1)概要

  • 登録:1993年、基準:14
  • 8棟国宝、残る74棟重要文化財
  • 複雑な構造の配置や屋根の重ね方を組み合させる独特の工夫、らせん状の曲輪、狭間
  • 世界的にも珍しい木造城郭建築の中でも最も保存状態が良い

(2)歴史

  • 16c末秀吉は毛利攻略拠点として姫路の既存城郭を改築、3層天守
  • 1601~9年池田輝政が改築、5層大天守、二重堀の曲輪など造営
  • 1617年本多忠政が西の丸の整備(長男忠刻とその妻千姫の居所)
  • 明治時代に軍用地、取り壊しの危機
  • 1919年「史跡名勝天然記念物保護法」、1931年に国宝指定
  • 1934年豪雨で大被害修復作業、戦争で中断
  • 1956年から昭和の大修理(大天守の解体修理、RC製の基礎構造部に取替えなど)
  • 2009年から5年半に及ぶ平成の大修理(漆喰の塗り替え、瓦の全面吹き直など)

(3)構成資産

天守

内郭北東部の最も高い位置、唐破風や千鳥破風を持つ屋根を5層重ねた望楼型天守、3層の屋根を持つ東小天守・乾小天守・西小天守、それぞれの間を廊下状の櫓(渡櫓)

西の丸

本多忠政築造の居住用曲輪、御殿は現存せず、化粧櫓、長局

備前

天守群の南の曲輪跡、かつては城主居館の本丸御殿(1882年火災で消失)

通路

天守群に向かい次第に高くなる設計、要衝に門櫓

3.屋久

(1)概要

  • 登録:1993年、基準:79
  • 北緯30度、九州最高峰の宮之浦岳(1936m)などの山岳島
  • 年間降水量4400㎜
  • 東京23区より少し小さい約500㎢に亜熱帯植物から亜寒帯植物まで垂直分布

(2)歴史

  • 最初の記録は600年代の古文書
  • 江戸時代薩摩藩による伐採約200年、明治維新後大部分国有林
  • 1923年「屋久憲法」(屋久国有林経営の大綱)、24年に原生林は天然記念物指定 ※人工造林等に伴う天然の屋久杉の伐採は継続
  • 1964年に九州の霧島とともに国立公園に編入
  • 1980年にMAB計画の生物圏保存地域に指定、80年代に一切伐採禁止、93年登録
  • 2005年島北東部がラムサール条約登録
  • 2011年霧島と切り離され「屋久島国立公園」として独立

(3)植生、動物

  • 植物の垂直分布
    0~100m :アコウ、ガジュマル、メヒル
    ~7/800m:シイ、カシ類
    ~1,200m:暖温帯針葉樹林
     ※1600m付近に日本最南端の高層湿原:ミズゴケ、コケスミレ
    ~1,800m:冷温帯針葉樹林
    ~山頂部 :ヤクシマダケ、ヤクシマシャクナゲ
  • 哺乳類4種の固有亜種
    ・ヤクザル
    ヤクシカ
    ・ヤクシマジネズミ
    ・ヤクシマヒメネズミ
  • 鳥類2種の固有亜種
    ・ヤクシマカケス
    ・ヤクシマヤマガラ

(4)屋久

  • 過去の寒冷期にブナ、ナラなどが南下しなかったため針葉樹林が現存(遺存固有)
  • 樹齢1000年以上は屋久杉、1000年未満は小杉
  • 大きいものは直径3~5m、標高600~1800mまで広く分布、現在2000本以上確認
  • 樹脂の防腐・防虫効果→土埋木、倒木更新、切り株更新